地方切り

もう一つ、私の周りで最近よく耳にするのは、「地方切り」という言葉。

社会的には、離島や山間部の集落のインフラ投資(修繕)にお金が回らず、都市部への移住を促しています。が、それは昔から耳にする言葉。「地方切り捨て」なんて言葉がありました。


今は、そんなに限界集落ではない、ちょっと地方の駅前など、大手スーパーや飲食店舗、物販店が撤退しているのが、目につきます。


ビルとしては新しく、まだ20年そこそこだからもったいないと、それに、今、こんな大きな建物をつくったら、何億も掛かるから、壊すのももったいない。何とか再生を考えてほしい。という趣旨です。


ただ、この20年というのが厄介で、ちょうど設備的全面改修、外装に関しても改修時期に差し掛かり、大きな出費を伴うのです。
20年で建築費は改修できているので、メンテナンスや維持費にお金が掛かるなら売ってしまおうというのが、民間の考え。


地域としては、大型店舗で中心部の商店街が壊滅的な中、その大型店舗が撤退するのですから、死活問題なわけです。


多くは、駅前の大型店舗。東京の感覚だと、駅前こそ一等地なんですが、何箇所か駅前のビルを視察しましたが、どうも事情は違うようです。

大人の全員、一家に成人が4人いたら、4台車があるような地域もあります。駅を使うのは免許の取れない高校生だけ。

ある、地方の駅前デパート(現在は自治体の所有とのこと)では、高校生の自習室が巨大な空きテナントの空間に用意されていました。

確かに、活用されていますが、高校生がお金を落とすことはなく、車で迎えに来る母親らしき人たちは、駅前のロータリーに車を止め、子供を電話で呼び出している様子でした。


無駄にデカい建築物ですから、エアコンだけでも月に百何十万という単位での出費でしょう。人気が少ないから、死角も多くちょっと怖いイメージさえありました。

また、多くのデパートにはほとんど窓がありません。 中心にエスカレーターがあり、周囲は、エスカレーター側が正面になるので、窓側はバックヤードになるからです。このデパートの一般的な形態も、暗く怖さを感じる要因で、回避するために、大空間に大量の照明を用意することになります。ホント無駄。


今、地方創生資金がばらまかれようとしています。この機会に、既に賞味期限の切れた大型店舗は、別の用途に切り替えるべきです。一番安価なのは、今の形態を維持すること。でも、小銭を拾おうとして大金を落とすようなことのない、大きな手術が必要だと考えています。